配管のサイズ呼び方の違いを徹底解説!インチとフランジサイズの関係とは?

ライフハック

配管のサイズを確認する際、図面や仕様書に出てくる「呼び径」「インチ」「フランジ」などの用語に戸惑った経験はありませんか?

実は、業界や規格によって表記方法が異なり、それぞれの意味を正確に理解していないと誤解が生じやすいのがこの分野です。

この記事では、配管サイズの基本的な呼び方から、インチ・ミリサイズの違い、さらにはフランジサイズとの関係まで、混乱しやすいポイントを整理してわかりやすく解説します。

呼び径とは?配管サイズの基本用語を押さえよう

まず押さえておきたいのが「呼び径(Nominal Diameter、NDまたはNPS)」という考え方です。呼び径は配管の大まかなサイズを示すもので、実際の外径や内径と一致しないことが多いのが特徴です。

日本国内でよく使われる表記には「A」や「B」があり、それぞれJIS(日本工業規格)で定められています。

  • A(JIS A表記):ミリ単位で表記されるサイズ。建築や住宅設備などで使われることが多い。

  • B(JIS B表記):鋼管などで多く使われ、インチサイズに対応した表記。製造業やプラント業界などでよく見られます。

たとえば、「50A」という表記は、2インチ(約60.5mm)のパイプに相当します。ただし、これはあくまで「呼び径」であり、実際の外径とは異なるため注意が必要です。


インチサイズとミリサイズの違い

配管サイズの表記は、国によって規格が異なるため、インチとミリの両方が存在します。特にアメリカを中心とした海外製品では、インチ(NPS)表記が一般的です。

インチサイズ(NPS)の特徴

  • アメリカ・イギリスを中心に採用されている規格

  • 外径は一定でも、スケジュール(SCH:管の肉厚の規格)によって内径が異なる

  • たとえば、「NPS 2(2インチ)」の外径は約60.3mmで固定されているが、内径は次のように異なる

    • SCH 40(標準肉厚):内径が比較的大きい

    • SCH 80(厚肉):内径が小さくなる

つまり、同じ2インチの呼び径でも流体が通る量が異なるため、設計や選定時にはスケジュールの確認が不可欠です。


フランジサイズと配管サイズの関係

配管を接続するための「フランジ」も、サイズの選定には注意が必要なパーツです。フランジにもJIS規格とANSI規格があり、呼び径に応じたサイズが設定されています。

JISフランジ

  • 日本の工業規格に基づいており、主にミリ単位

  • たとえば「JIS 10K 50A」は、2インチ相当の配管に対応するフランジ

  • 「10K」は圧力クラス(定格圧力)を示す

ANSIフランジ

  • アメリカ規格で、主にインチ単位

  • 「ANSI 150LB 2″」のような表記になり、2インチのNPS配管に対応

  • 「150LB」は圧力クラス

注意点:JISとANSIではボルト穴の数やピッチ、フランジの外径などが異なるため、互換性がないことが多いです。海外製品と日本の部品を組み合わせる場合は、必ず規格の一致を確認しましょう。


まとめ:混乱しやすい配管サイズのポイントをおさらい

配管サイズの呼び方には、以下のような注意点があります。

  • 呼び径(A・B):日本国内で使われる表記。Aはミリ単位、Bはインチに近いサイズ。図面や製品仕様書によって使い分けられる。

  • インチサイズ(NPS):海外製品で使われることが多く、外径は一定でもスケジュールによって内径が変化。流量や耐圧性能に影響を与える。

  • フランジサイズ:JIS(ミリ)とANSI(インチ)で設計が異なるため、規格の違いを理解しないとトラブルの原因になる。


実務での注意点

現場や図面を読む際は、単にサイズ表記を見るだけではなく、

  • 「規格はJISなのかANSIなのか」

  • 「呼び径はAなのかBなのか」

  • 「スケジュールの指定があるのか」

  • 「フランジとの接続規格は一致しているか」

といった点を総合的に確認することが大切です。特に海外製品を取り扱う場合は、規格の違いに起因するミスマッチが発生しやすいため、慎重な対応が求められます。
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