もう年賀状や暑中見舞いは必要ない?辞める理由と上手な伝え方

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毎年、秋が深まり、冬の気配が近づいてくると、ふと頭をよぎる、あの少しだけ重たい気持ち…。

「あぁ…そろそろ、年賀状の準備をしなきゃ…」

送る相手のリストアップ、デザイン選び、印刷、一枚一枚に添える手書きのメッセージ。日頃の感謝を伝える素晴らしい文化だと分かってはいても、忙しい毎日の中で、その手間やコストが大きな負担になっている、と感じている方も多いのではないでしょうか。

「もう、今年でおしまいにしたいな…」

そう思いつつも、**「でも、どうやって伝えたら、相手に失礼だと思われないだろう?」「急にやめたら、関係が気まずくならないかな?」**と、その一歩が踏み出せずにいる。

ご安心ください。その悩み、あなただけではありません。そして、相手への敬意を忘れずに、丁寧に手順を踏めば、「年賀状じまい」は、あなたの人間関係を壊すことなく、むしろ新しい、より自然な関係へとアップデートするきっかけになるのです。

この記事では、

  • 🤔【自己診断】あなたはなぜ、やめたい?理由を整理すれば、伝え方も決まる
  • 🗓️【最重要】「年賀状じまい」を伝える、ベストなタイミングとは?
  • ✍️【文例集】相手と理由で使い分ける、失礼のない挨拶文8選
  • 🙋‍♀️【私の体験談】100枚の年賀状を手放して、手に入れたもの
  • ❓【Q&A】相手から送られてきたら?素朴な疑問を解決

など、あなたが円満に「年賀状じまい」を達成するための、全ての知識と具体的な方法を、徹底的に解説していきます!

【自己診断】あなたはなぜ、やめたい?理由を整理すれば、伝え方も決まる

まず、なぜ自分が年賀状をやめたいのか、その理由を自分の中ではっきりさせることが大切です。理由が明確になることで、相手に伝える際の文面にも、誠実さが生まれます。

  • 理由①:時間的・精神的な負担
    忙しい年末に、年賀状の準備に時間を割くのが難しい。デザインや文面を考えるのが、いつしか義務感になり、ストレスになっている。
  • 理由②:時代の変化(デジタルへの移行)
    LINEやSNSなど、普段から気軽に連絡を取り合えるツールがあるため、改めてハガキで挨拶する必要性を感じない。
  • 理由③:経済的な負担
    ハガキ代、印刷代、インク代…。送る枚数が多ければ多いほど、その費用は決して安くはありません。
  • 理由④:ライフステージの変化(高齢、終活)
    年齢を重ね、これまでのように多くのハガキを準備するのが、体力的・精神的に難しくなってきた。終活の一環として、人間関係を整理したい。

【最重要】「年賀状じまい」を伝える、ベストなタイミングとは?

やめることを決めたら、次に重要なのが「いつ伝えるか」です。これが、相手への心遣いを測る、最も大切なポイントになります。

ベストタイミング:今年送る「最後の年賀状」で伝える

最も丁寧で、相手をがっかりさせない方法がこれです。いつも通り年賀状を送り、その文面に「皆様への年賀状は、誠に勝手ながら本年をもちまして、最後にさせていただきたく存じます」といった一文を添えるのです。

これにより、相手は「来年から、この人には送らなくていいんだな」と事前に把握でき、無駄な準備をさせずに済みます。

次善の策:年が明けてからの「寒中見舞い」で伝える

年末に決心がつかなかったり、うっかり出しそびれてしまった場合は、松の内(1月7日まで)が明けてから、2月4日(立春)頃までに「寒中見舞い」として出すのが良いでしょう。「年末の挨拶ができなかったお詫び」と共に、「今後は年賀状でのご挨拶を失礼させていただきたく…」と伝えることができます。

【文例集】相手と理由で使い分ける、失礼のない「年賀状じまい」挨拶文

ここからは、相手や理由に応じた、具体的な文例をご紹介します。コピペして使えるように、丁寧な表現を心がけました。

① 親しい友人・親戚向けの、カジュアルな文例

毎年の年賀状、本当にありがとう!
誠に勝手ながら、皆様への年始のご挨拶は、今年で最後にさせていただこうと思っています。
これからはLINEやSNSで、もっと気軽に連絡を取り合えたら嬉しいな!
今後とも、変わらぬお付き合いをどうぞよろしくお願いします。

② 上司・恩師・目上の方向けの、丁寧な文例

謹んで新春のお慶びを申し上げます
さて、誠に勝手ではございますが、どなた様へも年賀状でのご挨拶は本年を最後とさせていただきたく存じます。
今後はSNS(またはメール)にて、近況などをご報告させていただければ幸いです。
今後の皆様の益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

③ 高齢や終活を理由にする場合の、丁寧な文例

謹んで新春のお慶びを申し上げます
寄る年波を感じるようになり、筆をとるのが難しくなってまいりましたため、皆様への年賀状は、本年をもちまして最後とさせていただきたく存じます。
長年にわたるご厚情に、心より感謝申し上げます。
皆様の健やかで幸多き一年を、心よりお祈りしております。

【暑中見舞い編】夏の挨拶も、この機にやめますか?

年賀状じまいをする際に、一緒に暑中見舞いなどもやめることを伝えることもできます。その場合は、以下のような一文を加えましょう。

(年賀状じまいの文章に続けて)
また、暑中見舞いなど季節のご挨拶も、今後は控えさせていただきたく存じます。
誠に勝手ではございますが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。

🙋‍♀️【私の体験談】100枚の年賀状を手放して、手に入れたもの

私も以前は、毎年律儀に100枚以上の年賀状を書いていました。それは、もはや年末の「義務」であり、大きなプレッシャーでした。

デザインを選び、家族写真を決め、一人ひとりの顔を思い浮かべながらコメントを書く。その時間は、決して嫌いではありませんでした。でも、12月の忙しさの中で、その作業はいつしか「こなすべきタスク」に変わってしまっていたのです。

ある年、思い切って「年賀状じまい」をすることに。最後の年賀状に、その旨を書き添えて投函した時、心の中は「これで良かったのだろうか」という不安と、「解放された」という安堵が入り混じっていました。

そして、翌年の12月。何かが、明らかに違いました。毎年、私を追い立てていた「やらなきゃ」という焦りが、どこにもないのです。その代わりにあったのは、ゆっくりと一年を振り返ったり、家族とクリスマス映画を観たりする、穏やかで、豊かな時間でした。

人間関係が途切れることもありませんでした。本当に大切な友人とは、誕生日や、何でもない日に、LINEでメッセージを送り合う。その方が、年に一度の定型文よりも、よほど心のこもったコミュニケーションだと感じています。

私が年賀状じまいで手に入れたのは、単なる「時間」だけではありません。それは、儀礼的なお付き合いから一歩踏み出し、**自分のペースで、本当に大切な人との関係を育むという「心の自由」**だったのです。

❓【Q&A】年賀状じまいの素朴な疑問

Q1. 年賀状じまいをした相手から、年賀状が届いたら?
A. 返信として年賀状を送る必要はありません。相手が見落としていた可能性もあるので、松の内が明けてから「寒中見舞い」を送り、改めて年賀状じまいをした旨を伝えるのが丁寧な対応です。
Q2. 全員と一斉にやめる必要がありますか?
A. いいえ、そんなことはありません。「親しい親戚だけは続ける」「会社関係だけはやめる」というように、相手に合わせて柔軟に対応して全く問題ありません。
Q3. やめた後、また再開したくなったら?
A. もちろん、いつでも再開できます!その際は、「皆様の暮らしに思いを馳せるうち、やはり筆をとる喜びを再認識いたしました」といった、丁寧な挨拶を添えて再開すると、相手にも気持ちよく受け取ってもらえるでしょう。

まとめ:義務感から解放され、心からの「おめでとう」を

年賀状じまいは、決して人間関係を断ち切るための、冷たい行為ではありません。

それは、時代の変化に合わせて、自分にとって、そして相手にとっても、より心地よいコミュニケーションの形を選択するための、前向きで、誠実な意思表示です。

一番大切なのは、年に一度の義務感で送る挨拶よりも、日々のふとした瞬間に相手を思いやり、自分の言葉で気持ちを伝えることなのかもしれません。

この記事が、あなたが「年賀状」という長年の習慣から、晴れやかな気持ちで卒業するための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

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