あなたの箸の持ち方は大丈夫?美しい所作が身につく正しい持ち方とNGマナー

生活
この記事は約8分で読めます。

会食やデート、冠婚葬祭といった、少しフォーマルな食事の席。ふとした瞬間に、自分の「お箸の持ち方」が気になって、なんだか食事が心から楽しめなかった…そんな経験はありませんか?

子どもの頃にきちんと教わらなかったり、いつの間にか自己流の癖がついてしまったり…。周りの美しい持ち方を見て、「自分の持ち方、もしかして恥ずかしいかも…」と、コンプレックスを感じている大人は、実は少なくありません。

美しいお箸の持ち方は、単に見た目が良いというだけでなく、食べ物をきれいに、そしてスムーズに口へ運ぶための、日本の食文化が育んだ機能美の結晶です。

「でも、この歳からじゃもう直せないよ…」

と、諦めてしまうのはまだ早いです!お箸の持ち方は、何歳からでも、正しい方法と少しの意識で必ずきれいに矯正することができます。

この記事では、

  • 🤔【自己診断】あなたの持ち方はどのタイプ?まずは現状を把握しよう
  • ✨【完全図解】これが理想形!美しいお箸の持ち方、3つの鉄則
  • 💪【矯正トレーニング】大人でも大丈夫!きれいな持ち方を習得する5ステップ
  • ❌【絶対NG】知らないうちにやっているかも?嫌われる「嫌い箸」15選
  • 🥢【道具選び】あなたの手に馴染む、正しいお箸の選び方
  • 🙋‍♀️【私の体験談】クロス箸だった私が、自信を持って食事を楽しめるようになるまで

など、お箸の持ち方に関する全ての悩みを解決するための情報を、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、あなたも自信を持って、美しい所作で食事を楽しめるようになりますよ。

【自己診断】その持ち方、大丈夫?よくある「NGな持ち方」

矯正を始める前に、まずは自分の現在の持ち方を客観的に見てみましょう。よくある「握り箸」や「クロス箸」になっていませんか?

  • 握り箸(グー持ち):二本のお箸を、グーの手で鷲掴みするように持つ方法。うまく食べ物を挟めず、見た目も子どもっぽく見えてしまいます。
  • クロス箸(ばってん持ち):二本のお箸が、真ん中あたりで交差(クロス)してしまっている持ち方。細かいものが掴みづらいのが特徴です。
  • 人差し指・中指固定箸:本来は動かすべき上の箸を、人差し指と中指でガッチリと固定してしまい、手首全体で動かしてしまう持ち方。

これらの持ち方に心当たりがある方は、ぜひこの機会に理想的なフォームをマスターしましょう!

【完全図解】これが理想形!美しいお箸の持ち方、3つの鉄則

それでは、目指すべきゴールである、美しいお箸の持ち方のポイントを解説します。

鉄則①:下の箸は「固定」する

下の箸は、薬指の爪の付け根と、親指と人差し指の付け根の谷間で、動かないようにしっかりと固定します。これが全ての土台となります。

鉄則②:上の箸は「鉛筆持ち」で動かす

上の箸は、まるで鉛筆を持つように、親指・人差し指・中指の3本で軽く持ちます。実際に動かすのは、この上の箸だけです。

鉄則③:動かすのは「指先だけ」

下の箸を固定したまま、上の箸を指先だけで「開く・閉じる」を繰り返します。手首や腕は動かしません。この動きができるようになれば、豆でも魚の小骨でも、自由自在に掴めるようになります。

💪【矯正トレーニング】大人でも大丈夫!きれいな持ち方を習得する5ステップ

「頭では分かったけど、実際にやるのは難しい…」そんなあなたのために、段階的なトレーニング方法をご紹介します。焦らず、1ステップずつクリアしていきましょう。

STEP 1:「下の箸」を完璧に固定する練習

まずは、下の箸だけを持って、薬指と親指の付け根でしっかりと固定する練習をします。ペンなどを持って、他の指を添えずに、この2点だけでグラグラしないようにキープできるようになりましょう。

STEP 2:「上の箸」を鉛筆持ちする練習

次に、上の箸だけを、鉛筆を持つように親指・人差し指・中指で持ちます。そして、手首を固定したまま、指先だけで箸先を上下に動かす練習を繰り返します。

STEP 3:二本を合わせて、開閉練習

STEP1とSTEP2を合体させます。下の箸を固定したまま、上の箸を鉛筆持ちでセット。そして、ゆっくりと上の箸だけを「開く・閉じる」を繰り返します。最初はぎこちなくても大丈夫です。

STEP 4:大きなものを掴む練習

ティッシュを丸めたものや、消しゴムなど、掴みやすい大きなもので練習します。確実に掴んで、持ち上げて、別の場所に移す。この動作を繰り返して、正しい筋肉の使い方を体に覚えさせます。

STEP 5:小さなものを掴む練習

最終ステップです。大豆や米粒、ピーナッツなど、小さなものを掴む練習にチャレンジします。これがスムーズにできるようになったら、あなたはもうお箸マスターです!

🙋‍♀️【私の体験談】クロス箸だった私が、自信を持てるようになるまで

何を隠そう、私も長年、自己流の「クロス箸」でした。自分では普通に食べられるので、特に気にも留めていなかったのです。

その意識が変わったのは、社会人になってすぐの頃。少し格式の高い和食店での会食でした。隣に座った上司の、指先だけがスッと動く、あまりにも美しい箸遣い。それに比べて、箸全体を動かして、時々お皿の上で食べ物を取りこぼしそうになる自分…。その所作の違いに、猛烈な恥ずかしさを感じたのです。

その日から、私の地道な挑戦が始まりました。毎日の食事の時、最初の5分だけ、この記事で紹介したトレーニングを意識して食べる。最初は、食べ物がうまく掴めず、イライラしました。でも、「ここで諦めたら、一生このままだ」と自分に言い聞かせ、続けました。

すると、1週間が経った頃でしょうか。ふと、今まで意識しないとできなかった「上の箸だけを動かす」という感覚が、無意識にできるようになった瞬間があったのです。あの時の感動は忘れられません。

今では、焼き魚の身をきれいにほぐしたり、お皿の最後の豆粒をスマートに掴んだりすることに、小さな喜びを感じています。何より、誰と食事をしても、人目を気にせず、心から食事を楽しめるようになったことが一番の収穫です。

❌【絶対NG】知らないうちにやっているかも?嫌われる「嫌い箸」一覧

お箸の持ち方と同じくらい、食事中の所作も大切です。「嫌い箸(きらいばし)」や「禁じ箸(きんじばし)」と呼ばれる、代表的なマナー違反をご紹介します。

  1. 寄せ箸:器を、箸を使って手元に引き寄せる行為。
  2. 刺し箸:食べ物に箸を突き刺して食べること。
  3. 迷い箸:どの料理を食べようか、料理の上で箸をウロウロさせること。
  4. 探り箸:汁物の中を、箸でかき回して具材を探すこと。
  5. ねぶり箸:箸についたものを、口でなめ取ること。
  6. 渡し箸:箸休めの際に、器の上に箸を橋のように置くこと。(「箸置き」を使いましょう)
  7. 涙箸:箸の先から、汁をポタポタと垂らしながら口に運ぶこと。
  8. かき箸:器に口をつけ、箸で料理をかき込むこと。
  9. 噛み箸:箸の先を噛むこと。
  10. 指し箸:箸で人や物を指し示すこと。
  11. 空箸:一度料理に箸をつけたのに、食べずに箸を戻すこと。
  12. せせり箸:箸を爪楊枝のように使い、歯の間に詰まったものを取ろうとすること。
  13. 二人箸(拾い箸):一つの食べ物を、二人で箸と箸で挟んで受け渡すこと。
  14. そろえ箸:箸の長さを揃えるために、テーブルや器の上でコンコンと揃えること。
  15. 振り箸:箸を持ったまま、手を振って話すこと。

たくさんありますが、これらは全て「同席者に不快感を与えない」「食べ物を美しくいただく」という、思いやりの心から生まれたルールです。

🥢【道具選び】あなたの手に馴染む、正しいお箸の選び方

練習のモチベーションを上げるためにも、自分に合ったお箸を選ぶことはとても重要です。

最適な長さ「一咫半(ひとあたはん)」

お箸の理想的な長さは、親指と人差し指を直角に広げた時の、指先間の長さを一咫(ひとあた)とし、その1.5倍の長さ(一咫半)が良いとされています。実際に測ってみて、自分に合った長さを探してみましょう。

素材による違い

  • 木製・竹製:最も一般的。軽くて手に馴染みやすく、食べ物も滑りにくいのが特徴です。
  • 塗り箸:漆(うるし)などが塗られた美しいお箸。口当たりが滑らかです。
  • プラスチック製:食洗機で洗えるなど、手入れが簡単ですが、滑りやすいものもあります。

まずは、自分の手に合った長さの、滑りにくい木製や竹製のお箸で練習を始めるのがおすすめです。

まとめ:美しい箸遣いは、あなたを輝かせる一生の財産

お箸の持ち方は、一朝一夕で身につくものではありません。しかし、正しい形と動かし方を理解し、毎日少しずつ意識することで、必ず、誰でも美しい持ち方を習得することができます。

きれいな箸遣いは、あなた自身の食事の時間をより豊かなものにするだけでなく、周りの人にも「きちんとした、品のある人」という、素晴らしい印象を与えてくれます。それはまさに、お金では買えない、一生の財産と言えるでしょう。

【美箸への道、はじめの一歩】

  • ✔️ まずは自分の「今の持ち方」を客観視することから。
  • ✔️ 正しいフォームは「下の箸は固定、上の箸は鉛筆持ちで動かす」。
  • ✔️ 練習は、焦らず、簡単なステップから毎日少しずつ。
  • ✔️「嫌い箸」を意識するだけで、食事の所作は格段に美しくなる。

まずは今日、夕食の時に、そっとご自身のお箸の持ち方を見つめ直すところから始めてみませんか?その小さな一歩が、あなたの所作を、そしてあなたの自信を、より美しいものへと変えていくはずです。

タイトルとURLをコピーしました